古物商許可を受けられない人とは?古物営業法第4条の欠格要件を行政書士が解説
こんな疑問はありませんか?
- 古物商許可を取りたいけれど、自分は許可を受けられる?
- 過去に犯罪歴があるけど大丈夫?
- 自己破産したことがある場合は?
- 未成年でもメルカリ販売を始められる?
古物商許可は、申請すれば誰でも取得できるわけではありません。古物営業法第4条では、一定の条件に該当する人について、公安委員会は古物商の許可をしてはならないと定めています。e-Gov 法令検索
このような許可を受けられない条件を、一般に「欠格要件」といいます。
この記事では、古物営業法第4条で定められている欠格要件について、メルカリ・ヤフオク・Amazon物販・せどり・中古車販売・中古バイク販売などを始めたい方にも分かりやすく解説します。
古物商許可の「欠格要件」とは?
古物商許可の欠格要件とは、古物営業法上、古物商の許可を受けることができない条件のことです。古物営業法第4条では、公安委員会は、許可を受けようとする人が一定の欠格要件に該当する場合には、許可をしてはならないと定めています。e-Gov 法令検索
つまり、欠格要件に該当している場合、申請書を提出しても古物商許可を取得することはできません。そのため、古物商許可の申請をする前に、自分が欠格要件に該当していないか確認することが重要です。
古物商許可を受けられない11のケース
古物営業法第4条では、主に次のような場合が欠格要件として定められています。
| No. | 欠格要件 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない | 自己破産=永久に取得できないわけではない |
| 2 | 一定の刑罰を受け、5年を経過していない | 犯罪の種類・刑罰の種類に注意 |
| 3 | 暴力的不法行為等を行うおそれがある | 法令上定められた行為が対象 |
| 4 | 暴力団対策法上の一定の命令・指示を受けて3年以内 | 一定の命令・指示が対象 |
| 5 | 住居の定まっていない | 住所・居所が必要 |
| 6 | 古物営業の許可を取り消されてから5年以内 | 過去の許可取消しに注意 |
| 7 | 許可取消しに関する一定の手続から5年以内 | 法人の役員にも注意 |
| 8 | 心身の故障により業務を適正に行えない | 法令上の基準あり |
| 9 | 営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者 | 未成年者は一律に不可ではない |
| 10 | 営業所ごとに適切な管理者を選任できない | 管理者の選任が必要 |
| 11 | 法人の役員に欠格要件該当者がいる | 法人の場合は役員も確認 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人
古物営業法第4条第1号では、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」を欠格要件としています。e-Gov 法令検索
ここで重要なのは、自己破産したことだけで、永久に古物商許可を取得できなくなるわけではないという点です。破産手続開始の決定を受けた場合でも、復権を得れば、この欠格要件には該当しなくなります。
「自己破産=古物商許可を取得できない」ではありません
「自己破産したから古物商許可は取れない」と考えている方もいますが、これは正確ではありません。ポイントは、現在も「復権を得ていない状態」にあるかどうかです。
2.一定の刑罰を受けてから5年を経過していない人
古物営業法第4条第2号では、「一定の刑罰を受けた人について、刑の執行を終えた日等から5年を経過していない場合」を欠格要件としています。e-Gov 法令検索
具体的には、
- 拘禁刑以上の刑に処せられた場合
- 古物営業法第31条に規定する罪について罰金刑を受けた場合
- 刑法第235条の窃盗罪について罰金刑を受けた場合
- 刑法第247条の背任罪について罰金刑を受けた場合
- 刑法第254条の遺失物等横領罪について罰金刑を受けた場合
- 刑法第256条第2項の盗品等に関する罪について罰金刑を受けた場合
などが対象となります。
犯罪歴がある人は全員ダメなの?
いいえ。犯罪歴があるというだけで、必ず古物商許可を取得できないわけではありません。
重要なのは、
- どのような犯罪だったのか
- どのような刑罰を受けたのか
- 刑の執行が終わったのはいつか
- その日から5年が経過しているか
といった点です。そのため、「前科があるから無理」と自己判断するのではなく、具体的な事情を確認することが重要です。
3.暴力的不法行為等を行うおそれがある人
古物営業法第4条第3号では、「集団的に、又は常習的に、暴力的不法行為その他の違法な行為を行うおそれがあると認められる相当な理由がある人」を欠格要件としています。e-Gov 法令検索
ここでいう対象となる行為については、古物営業法施行規則第1条に具体的な定めがあります。
古物営業は、盗品等の売買を防止することなどを目的として規制されているため、適正な営業を行うことが期待できないと判断される場合には許可を受けることができません。
4.暴力団対策法上の一定の命令・指示を受けて3年を経過していない人
古物営業法第4条第4号では、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に基づく一定の命令又は指示を受けた人について、その命令又は指示を受けた日から3年を経過していない場合」を欠格要件としています。e-Gov 法令検索
一般的なネット販売やせどりを始める方にとっては該当するケースは多くありませんが、法律上の欠格要件の一つとして定められています。
5.住居の定まっていない人
古物営業法第4条では、「住居の定まっていない人」も欠格要件とされています。古物商許可の申請では、申請者の住所・居所等を確認する必要があります。
「ネットショップだから住所は必要ない」
「メルカリだけだから自宅住所は関係ない」
というわけではありません。オンラインで古物を販売する場合でも、古物営業法に基づく許可を取得するのであれば、申請者の住所・居所等について確認が必要です。
6.古物営業の許可を取り消されてから5年を経過していない人
過去に古物商許可を取得していたものの、許可を取り消されたことがある場合にも注意が必要です。古物営業法第4条には、「過去の許可取消し等」に関する欠格要件が定められています。e-Gov 法令検索
そのため、「以前古物商許可を持っていたから、もう一度申請すれば必ず取れる」とは限りません。過去に許可取消しを受けたことがある場合は、取消しの理由や時期を確認する必要があります。
7.古物営業の許可取消しに関する一定の手続から5年を経過していない人
古物営業法では、実際に許可が取り消された場合だけでなく、許可取消しに関する一定の手続が開始された場合についても欠格要件が定められています。この規定は、特に法人の古物商許可を考えている場合に注意が必要です。
法人の場合には、会社そのものだけでなく、役員についても欠格要件を確認する必要があります。
8.心身の故障により古物商の業務を適正に行うことができない人
古物営業法第4条では、心身の故障により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるものも欠格要件とされています。e-Gov 法令検索
現在の古物営業法施行規則第1条の2では、精神機能の障害により、古物商等の業務を適正に実施するために必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者について定めています。
一律に「病気や障害があると許可されない」という意味ではありません
この規定は、特定の病名や障害があることだけを理由として、一律に古物商許可を取得できないというものではありません。法律上の基準に該当するかどうかを個別に判断する必要があります。
9.営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
「未成年者は古物商許可を取得できない」と思っている方も多いかもしれません。しかし、法律上は少し異なります。古物営業法第4条第9号では、「営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」を欠格要件としています。e-Gov 法令検索
したがって、未成年者だから必ず古物商許可を取得できない、というわけではありません。
なお、古物商又は古物市場主の相続人である未成年者については、一定の例外が設けられています。
未成年でメルカリ販売やせどりなどを始めたい場合には、年齢だけで判断せず、具体的な状況を確認することが重要です。
10.営業所ごとに適切な管理者を選任できない人
古物商は、営業所ごとに管理者を選任する必要があります。古物営業法第4条第10号では、営業所ごとに管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある人も欠格要件とされています。e-Gov 法令検索
管理者は、古物営業に関する業務を適正に管理する重要な立場です。そのため、古物商許可を申請するときは、
- 申請者
- 営業所
- 管理者
について、それぞれ要件を確認する必要があります。
11.法人の役員に欠格要件該当者がいる場合
法人として古物商許可を取得する場合には、特に注意が必要です。古物営業法第4条第11号では、「法人で、その役員のうち第1号から第8号までのいずれかに該当する者がいる場合」を欠格要件としています。e-Gov 法令検索
つまり、「会社を設立すれば、個人として古物商許可を取得できない人でも法人なら取得できる」というわけではありません。
法人で申請する場合には、役員についても欠格要件の確認が必要です。
犯罪歴があると古物商許可は取れない?
結論として、犯罪歴があるだけで、必ず古物商許可を取得できないわけではありません。
古物営業法第4条第2号では、一定の刑罰について5年間の欠格期間が定められています。そのため、「前科があるかどうか」だけでは判断できません。
例えば、
- どの犯罪だったのか
- 罰金なのか拘禁刑以上なのか
- 刑の執行が終わったのはいつなのか
- その後5年を経過しているのか
などを確認する必要があります。
過去の犯罪について心当たりがある場合は、申請前に確認しておくと安心です。
自己破産すると古物商許可は取れない?
こちらも、「自己破産=古物商許可を取得できない」というわけではありません。
古物営業法第4条第1号が欠格要件としているのは、「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」です。したがって、自己破産をしたことがある場合でも、現在の状況によっては古物商許可を取得できる可能性があります。
未成年でも古物商許可を取れる?
未成年者についても、単純に「未成年だから取得できない」と判断することはできません。
古物営業法第4条第9号では、「営業について成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」が欠格要件とされています。そのため、未成年で古物営業を始めたい場合には、具体的な営業形態や法定代理人との関係などを確認する必要があります。
法人で古物商許可を取得するときは役員にも注意
法人で古物商許可を取得する場合、申請する会社だけを確認すればよいわけではありません。古物営業法第4条第11号により、法人の役員についても欠格要件の確認が必要です。
特に、
- 代表取締役
- 取締役
- その他の役員
について、古物営業法上の欠格要件に該当しないか確認することが重要です。
法人で中古車販売、中古バイク販売、リサイクルショップなどを始める場合は、会社設立と同時に古物商許可の要件も確認しておきましょう。
欠格要件に該当するか分からない場合は?
古物商許可の欠格要件は、単純に「前科がある」「自己破産した」「未成年である」といった情報だけでは判断できないケースがあります。
例えば、
- 過去に罰金刑を受けた
- 犯罪歴がある
- 自己破産をしたことがある
- 過去に古物商許可を取り消された
- 法人の役員に過去の犯罪歴がある人がいる
- 未成年で古物営業を始めたい
といった場合は、具体的な事情や時期を確認することが重要です。
不明な点がある場合は、申請を進める前に、管轄の警察署や行政書士などの専門家に確認することをおすすめします。
まとめ|古物商許可を申請する前に欠格要件を確認しましょう
古物営業法第4条では、古物商許可を受けることができない欠格要件が定められています。
特に注意したいのは、
- 一定の刑罰を受けてから5年を経過していない
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない
- 過去に古物商許可を取り消された
- 住居が定まっていない
- 法人の役員に欠格要件該当者がいる
といったケースです。
一方で、「犯罪歴がある」「自己破産した」「未成年である」という事実だけで、直ちに古物商許可を取得できないと決まるわけではありません。重要なのは、古物営業法第4条の具体的な要件に該当するかどうかです。
古物商許可を申請する前に、自分自身または法人の役員が欠格要件に該当していないか確認しておきましょう。
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